19)妊産婦が薬を服薬する時にはどんなことに気をつけたらよいのでしょうか
妊産婦が薬を服薬する時には
どんなことに気をつけたらよいのでしょうか
母体に与えた薬が胎児に及ぼす影響は、母体の体質、投与時の胎齢、胎児の遺伝子型、薬剤胎盤通過性、投与法などにより異なり、一定ではありません。
妊娠時、体内では複雑な変化が起っているので母体は機能低下を来たし易く、薬の副作用も妊娠という特殊な状況のためにより強く発現することがあります。特に妊娠初期〜3・4ヵ月の間は、薬の服用・使用に気を付けなければなりません。
この時期は赤ちゃんの大事な部分である脳や、心臓などが形成される時期なので、少し頭痛がするとか、風邪をひいたとかいって、家庭薬をすぐに飲むのではなく、かならず病院へ行って医師と相談してください。
また、精神的に不安定になりやすく、イライラしたり、眠れなかったりしますが、できるだけ精神安定剤などは連用しないようにしましょう。 しかし妊娠期間中でも、例えば糖尿病や心疾患など、それらを治療しておかなければ妊娠の継続が困難な時には医師の指示のもとに薬の服用が必要とされる場合もあります。
また、ビタミン剤、鉄剤、カルシウム剤や妊娠時に特異的に起り易い異常や疾患に対する治療薬(例えば、つわりに対する薬や妊娠中毒症に対する薬等)の服用も医師の指示を受けて下さい。
妊娠すると、便秘になりがちですが、強い下剤は子宮を収縮して、流産、早産する危険性がありますので、妊娠中あるいは妊娠の可能性のある女性が診察を受ける場合は、その旨を必ず医師に話してください。
医師は細心の注意を払って安全かつ有効と認められる薬を処方しますので、安心して服用することができます。
くれぐれも自分の判断で薬を買って飲むようなことは避けて下さい。
貧血には鉄分を多く含むレバーが良いと言われますが、妊婦にはレバーの摂り過ぎは要注意です。レバーには貧血に効果がある鉄分とそれ以上にビタミンAがたっぷり含まれていています。この過剰なビタミンAの取り過ぎが奇形児の原因となるとの報告が海外であります。鉄分は、ひじきとか牛乳で摂るように工夫しましょう。
偏った食事をせず、栄養のバランスのよい食事を心がけて妊娠時期を過ごしてください。
薬によっては、母乳に分泌される場合もありますので、授乳中のお母さんは、薬を飲むときは医師に相談しておきましよう。