15)インフォームドコンセント

インフォームドコンセント

というのはどういう意味でしょうか

 最近、日本でも「インフォームドコンセント」という考え方が少しずつ広まり始めています。これは、アメリカで生まれた考え方で、直訳すれば「十分な説明を受けた上での同意」と言われています。 医師と患者の関係の中で、医師は、治療法や薬の内容について、患者に十分な説明を施し、患者の同意を得た上て、それを実行するという考え方です。こうした考え方が生まれてきた背景には、アメリカでの医療訴訟が非常に多いということがあります。つまり、患者に十分な説明をせずに治療を行い、その結果が悪かった場合、訴訟に持ち込まれ、敗訴することが多かったのです。そうした事態を避けるため、アメリカでは医師が患者にしつこいほど治療内容や薬について説明を施し、同意を得るというのが一般化するようになりました。
 
 医療訴訟の少ない日本ては、こうした考え方はなかなか広まりませんでした。しかし、本当に治療の効果を上げ、早く病気と縁を切ってもらうためには、患者さんの自覚が絶対に不可欠です。インフォームドコンセントの考え方は、もっと定着しなければなりません。薬についても、どんな性質を持った薬か、どんな目的を持って飲んだらよいのかなどを、医師が患者にきちんと説明していく必要があります。また、患者さんのほうも、ただ、薬をもらって漫然と飲むだけではなく、どんな特徴の薬で、どういう形で飲むのが一番効果的かについて、医師と十分なコミュニケーションが図られていれば、薬はより大きな効果を発揮するでしよう。