12)薬はどのように区分されているのでしょうか

薬はどのように区分されているのでしょうか

 薬の分類方法はいろいろ考えられます。まず、薬を毒性の強さで分類してみましょう。「毒薬」が一番毒性が強く、次が「劇薬」、「普通薬」の順になります。 
 毒薬は、少しの量で、強い効き目が現れますが、服用量に注意を払わないととても危険な医薬品で、中毒や死亡することがあるので、病院でしか使用できません。 
 普通薬は、比較的安全性の高い薬です。町の薬局や売薬がそれです。
 この他に、「麻薬」「覚せい剤」等があります。この薬は、連用しているうちに、だんたんいつも飲んでいる量では効かなくなり、量がふえてゆき、習慣性や依存性が増し、病みつきになっていく薬です。連用による快感と中止による禁断症状を持つ恐ろしい薬です。モルヒネ、コカイン、コデイン、ヘロイン、大麻などがこれにあたります。モルヒネやコデインはひどい痛みの時には著効な場合が多く、特に末期がんの患者さんの鎮痛薬として汎用されています。 
 また、「麻薬」と同じように中枢神経系に作用して精神機能に影響を及ぼす薬物のうち、依存性があり、かつ乱用された場合に有害作用が麻薬、覚せい剤より低いものを「向精神薬」といい、ある種の睡眠薬、精神安定剤、鎮痛剤が該当し、麻薬と同様に「麻薬及び向精神薬取締法」でその取り扱い等が規制されています。
 「覚せい剤」は「覚せい剤取締法」によって、大麻は「大麻取締法」によって規制されています。
 
 次に、医療機関で医師の処方によって購入する「医療用医薬品」と薬局・薬店等で購入する「一般用医薬品」に分類される方法もあります。
 
 最近では、「スイッチOTC」と呼ばれ、医療用医薬品の成分を一般用医薬品に転用した製剤も販売されています。いずれも、医師や薬剤師の指導のもとに用法・用量をきちっと守って服用することが大事です。